脳性麻痺で歩くことも話すこともできない娘の将来を悲観し、殺害した両親に懲役8年づつの判決が下った海外ニュース。
気分どんより、『やるせない話』シリーズ。
ドイツ人の両親が、2020年の5月にスイスで起こした悲しい事件。
先々週、刑期の判決がくだり、再びニュースになっていたのでご紹介です。
エミリー・T(32・母親)とアース・D(34・父親)の娘ソフィーちゃん(3)には重度の脳性麻痺の障害がありました。
(なぜか報道では、両親の苗字がイニシャルのみの表記でした。
ちなみに父親のアースは、ドイツ語発音だとウァースのような発音らしいですが、タイプが面倒なのでアース表記にさせて頂きました)
自力で歩くことも話すことも食事をとることもできず、頻繁にてんかん発作を起こすソフィーちゃんの人生と将来を悲観したエミリーとアースは、ソフィーちゃんの命を自分たちの手で絶つことを決断。
2人は「致死量に価する配合」と考え、1gのMDMA(エクスタシー)と睡眠薬を混ぜた粉ミルクを作り、ソフィーちゃんに飲ませます。
ソフィーちゃんはその後1時間ほど、ヒクヒクバタバタと痙攣を起こし、苦しんでいたそうです(涙)
そして薬入りの粉ミルクでは死なせることができなかったと悟った父親のアースが、ティータオルでソフィ―ちゃんの口を押えて塞ぎ、窒息死させたわけです。
翌朝エミリーとアースは、「ベビーベッドで娘が亡くなっている」と救急隊に連絡。
警察の事情聴取でエミリーとアースが自分たちの犯行を供述し、逮捕へと至りました。
裁判では、父親のアースが事件前に「最も人道的で痛みが少ない殺害方法」を検索していたことも明るみになりました。
また両親は事件を起こす2020年5月以前にも、MDMAと睡眠薬入りの粉ミルクを、ソフィーちゃんの殺害目的で作ったことがあるものの、「自分の娘だから殺すことができなかった」と、そのミルクを与えずに未遂で終わったことが数回あったことも明らかに。
もちろん殺めてしまうことは絶対にいけませんが、重度の障害のある子供を育て、娘の将来を悲観してしまった両親の苦悩も分からないではないですよね…。
検察側は懲役18年を要求していたのですが、裁判の結果エミリーとアースにはそれぞれ懲役8年の実刑判決が下りました。
SNSでは、「例え障害があっても子供を殺めるなんて許せない!」、「懲役8年なんて軽すぎる!」と非難の声が殺到。
これが欧米と日本の違いなんですかね?
日本だったらもう少し、「殺人は絶対に駄目だけど、両親の気持ちも分かる」等の同情的な意見も多くあったかも知れません。
確かに事件が起きたのがスイス、両親がドイツ人なので、スイスやドイツなどの欧米は社会福祉制度や介護制度も充実していそうですし、支援・サポート制度も日本などと比べたらちゃんとしていそうなので、我が子を殺める以外に本当に選択肢はなかったのか…と複雑な気持ちになりますが。
本当に色々とやるせないですな…。
ソフィーちゃんのご冥福をお祈りいたします。
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