父親を殺害した当時15歳の少年コリン・グリフィスが、その約1年半後に母親も殺害し逮捕された事件。背景にある両親のドロ沼化した離婚・親権争いを紹介する海外ニュース。
『やるせない話』シリーズ。
今年2024年の9月中旬に、アメリカのフロリダ州で起きた悲しい事件。
9月中旬の日曜の夕方、「母親がナイフの上に転んだ」と警察に911通報したコリン・グリフィス(17)。
駆けつけた警察が発見したのは、ナイフで首を数回刺されて亡くなっていたコリンの母、キャサリンさん(39)。
近所の住民たちの、
「コリンが『離して!』と叫ぶキャサリンさんの髪を掴み、引きずりまわしていた」
と言う目撃情報と現場検証の結果、殺人の容疑で逮捕・起訴された息子コリン。
母親の髪を掴んで引きずりまわし、首を何回も刺して殺害と言う、残忍性の高い事件であります。
実は、母キャサリンさんを殺害する約1年半ほど前、当時15歳だったコリンの父親チャールズさん(41)が、コリンから銃で撃たれ亡くなっている過去があるんですね。
チャールズさんが亡くなった時の状況の説明の前に、コリンの両親の間に起きていた、ドロ沼化した離婚劇と親権争いを説明しておきます。
コリンの母キャサリンさんと父チャールズさんは、20年間連れ添った末、2020年の5月に離婚。
離婚原因は母キャサリンさんの主張によると、何十年もに及ぶチャールズさんからのドメスティック・バイオレンス、以下DV。
アメリカでは離婚しても共同親権が一般的なので、離婚当初、コリンの親権も両親の共同親権だったと思われます。
(ちなみに一家にはもう1人、コリンの兄にあたるクリストファーさんがいらっしゃいますが、現在24歳と既に成人しております)
しかし2022年8月に、母キャサリンさんが単独親権を申請。
その理由は、コリンが母キャサリンさんに「(母の家に)帰りたいから迎えに来て欲しい」と連絡して以来、父チャールズさんが、コリンがキャサリンさんに連絡することを禁じている、と言うものでした。
そして母のキャサリンさんは2019年の12月以降、息子コリンから一切連絡がないと主張。
また母キャサリンさんは、チャールズさんがキャサリンさんの悪口を息子コリンに吹き込むために、ソーシャルメディアなどでストーキング行為をしていると主張。
キャサリンさんはPTSDを訴え、チャールズさんに対する接近禁止命令を裁判所に申請。
後にキャサリンさんは、息子コリンがゲイであることをカミングアウトしてから、父親チャールズさんがコリンの外出を禁止、学校にも通わせていないと話しました。
(オンラインスクールの先生の供述も出てくるので、コリンは実際に学校には通っておらず、オンラインでスクールで学んでいた様子です)
またキャサリンさんはチャールズさんに対し、息子コリンをセラピーに連れて行くように、裁判所を通じ要請。
これに対し、父チャールズさんは、
「コリンは母親のキャサリンには会いたくないと言っている。
キャサリンは精神的にも感情的にも不安定で、薬物や酒を使用している」
と反論。
また父チャールズさんは、息子コリンがキャサリンさんに連絡するのを禁じたのは、キャサリンさんが2020年の5月に、自殺をほのめかす手書きの手紙を(恐らく写メなどで)息子のコリンに、テキストメッセージで送りつけたからだと主張。
双方の言い分が食い違っていると言いますか、事実は当人たちにしか分からないのですが、唯一ハッキリとしていることは、両親の離婚騒動に息子のコリンが巻き込まれていたことに間違いはないようです。
そして事件は2023年のバレンタインデーに起きました。
当時15歳だったコリンが、父のチャールズさんを銃で撃って殺害したんですね。
父を撃った後、911通報したコリンは警察に、
「父親がナイフを持って脅して、部屋の隅に追い詰めてきた」
と主張。
「部屋の隅に追い詰めてきた」と言うコリンの主張は、現場に残された証拠とは一致しなかったそうな。
そして父チャールズさんに対する殺人罪で逮捕された息子コリンですが、母キャサリンさんが保釈金を支払い釈放。
その後、「正当防衛の線が消えない」と言う理由で、コリンは無罪となったわけです。
そして時が経ち今年2024年の9月、母親キャサリンさんをナイフで何回も刺し殺害したコリン。
この時も自ら911通報し、「母がナイフの上に転倒した」と嘘をついたコリン。
1年半の間に両親を殺害したコリンを「サイコパスだ」と、メディアが報じております。
写真で見る限り、背が高いことを除いてはごく普通の少年の様に見えるコリン。
メガネをかけていてニキビ肌で、どちらかと言えば垢ぬけないタイプ、と言ったら失礼になるかも知れませんが、オタク系かも知れません。
お母さんのキャサリンさんとのツーショットも多いので、一見すると仲が良い母と息子に見えます。
イマドキだったりヤンチャ系だったり不良系には見えないのですが、人は見かけによりませんね…。
元々コリンにはサイコパスな気質があったのかも知れません。
その上、常にいがみ合っている両親の姿を見て育ち、憎悪の気持ちが膨らんだり、どんどん追い詰められていったり、逃げ場がないと感じたり、全てをぶち壊してやりたいと怒りが爆発してしまったんですかね?
自殺をほのめかしてくる母親や、いつも母親の悪口を言い、いやがらせのオンラインストーキング行為までする父親…。
ある意味コリンも親ガチャの被害者かも知れませんな…。
だからと言って親や人を殺して良いことにはなりませんけれども。
先日ご紹介した、母親殺しで法廷で笑いまくっていたカーリー・グレッグの事件もそうですが、些細なことで親を殺す若者が増えた気がしないでもないですな。
コリンが母親キャサリンさんを殺害した理由は、今後裁判で明らかになるかも知れませんが、父親チャールズさん殺害についても、もう一度洗い直した方が良いんでないの?と思いますよね。
証拠と一致していないのに正当防衛が認められたなんて納得いきません。
でもアメリカには「ダブル・ジョパディーの法則」(二重起訴の禁止=一度無罪や有罪が確定した件を再度裁判にかけれない法律)があるので、父親殺しの件の再捜査や裁判は無理なんですかね…。
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