「やるせない話」シリーズ。
読んだ後に気分が落ち込むかも知れません。
「今日はなんだか凄くどんよりした気分に浸りたい…」という日にお読み下さい。
(どんな日よ?)
本日はオーストラリアの事件。
事件そのものは2020年の9月に起きたものです。
刑期が決定したのが2週間ほど前で、再びニュースに取り上げられていたのでご紹介。
夫ノエルさん(68)に睡眠薬を散りばめたクッキーを与え、気を失った夫を冷凍庫(冷蔵庫と一緒のタイプではなく、冷凍庫単体のタイプ)に入れ殺害した妻のレベッカ・ペイン(43)。
司法解剖では、夫が睡眠薬のオーバードースで死亡したのか、窒息死だったのか判別不可。
クッキーを食べさせて殺害に及んだことから、「クッキーモンスター殺人鬼」とのレッテルを貼られたレベッカですが、裁判では殺害するつもりはなかったと述べておりました。
しかし夫を冷凍庫に入れた後にストラップをかけ、中からは開けられないようにしたことや、その後夫のクレジットカードを使い、派手に買い物をしまくったことも判明し、冷血な殺人鬼として終身刑が言い渡されたレベッカであります。
しかし夫殺害に至った背景には、14年間にも渡る、夫からの家庭内暴力があったことが明るみに。
夫ノエル氏からの日常的な暴力は、肉体的(殴る蹴る、唾を吐かれる)、性的(度重なるレイプ←夫婦間でも合意のない性行為はレイプとみなします)、金銭的(口座などを管理され、レベッカが自分で自由に使えるお金がない状態)、精神的なもの(脅迫、暴言、シャワー中を監視される等)の数々。
さらに嫉妬深く独占欲の強い夫から、夫の名前をタトゥーで入れさせられていた妻レベッカ。
夫の名前のタトゥーは全身で合計18カ所も(←異常)。
さらにさらに、夫は後天性脳損傷(主に事故・怪我などによる脳の回復不可なダメージ)のある若い女性を愛人(性奴隷?)として、自分が家族(妻レベッカと2人の息子たち)と暮らす家に住まわせており、この女性にも同じようなDVを行っていたとのこと。
また妻レベッカは、夫が愛人女性に暴力を振る、自撮りビデオを見せられていたとも言います。
法的な理由でこの愛人女性の氏名・年齢は非公開ですが、この女性も体5ヶ所にノエル氏の名前をタトゥーで入れさせられておりました。
「おまえは俺のモノだ。他の男にはやらん」という所有欲の表れですな。
ノエル氏の名前の5つのタトゥーは、愛人女性が裸にならないと見えない陰部に、かなり太い濃いインクで入っているそうで、除去するのが難しいんだとか。
法廷でも、この愛人女性は「レベッカがやったこと(ノエルの殺害)は許せない。でもノエルがいない人生の方がマシ」とも述べておりました。
ノエル氏のDVについては死人に口なしで、嫁のレベッカが何とでも酷く言える、と思う方もいらっしゃるかと思います。
しかしDVについてはこの愛人女性、近所に暮らす友人たち、そして夫ノエル氏とレベッカの2人の息子のうちの1人であるジェイミーさんが、ニュースでも顔出しで証言しているので、実際に長年に渡る酷いDVがあったのは事実のようです。
レベッカがクッキーモンスター殺人鬼ならば、ノエル氏は鬼畜モンスター夫ですよね。
しかしレベッカの弁護側の主張や数々のDVの証拠もむなしく、裁判官はレベッカへ終身刑を言い渡しました。
やるせないですな…。
人を殺めるのは絶対にいけませんけれども、逃げ場がないケースもありますよね。
第三者が「だったら逃げれば良かったのに」と言うのはカンタンですが、実際はそうもいかないケースも多々あります。
レベッカは田舎暮らしだったようで、都心部のような交通手段や滞在先もありませんし、夫にお金を管理されていると、逃げる手段が更に無くなります。
にしても、厳し過ぎる判決のような…。
日本でも、壮絶な教育虐待を受け続け、医学部9浪で母を殺害した滋賀の31才の女性の事件や、映画『MOTHER』マザー(長澤まさみさん主演の映画)の元となった、川口祖父母殺害事件など(祖父母には落ち度はありませんが、少年の母親のひどさよ…涙)、情状酌量に価すべき事件が多々ありますよね。
それを思うとレベッカの終身刑というのは、厳し過ぎる刑期なのではないかと、やるせなくなります…
はぁ…どんより。
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