ネパールの貧困層を襲う、違法臓器売買にまつわる海外ニュース。
別名「キドニー・バレー」(腎臓谷、腎臓渓谷)と呼ばれる、ネパールのカーブレ・パランチョーク郡。
貧困にあえぐ住民たちに目を付けた臓器売買の闇ブローカーたちの格好の餌食となり、村人たちの一家に1人は、2つあるうちの腎臓が1つしかないと言われるほど。
その場でもらえる現金欲しさに自分たちの腎臓を売って、生活を支えている人達が多くいるそうです。
中には闇ブローカーたちから「腎臓は取ってもまた生えてくるから」と言う嘘に騙され、腎臓を売る人たちもいるとのこと。
タケノコじゃないんだから、1度失った臓器はニョキッと生えて戻ることはありません…。
まだ巨額の現金が貰えるならまだしも、腎臓を売っても少額しかもらえない現実。
ただ普段の生活水準すら低い貧困層の方達は、少額でもその場で現金が貰えれば、それにまた腎臓がニョッキリと生えてくるのなら…と思い、痛く危ない思いをしてまで、臓器を売るという選択をしてしまう悲しさ。
切ないですな。
去年2023年初めにPBSの番組でも、ネパールの違法臓器売買の現状のドキュメンタリーがありまして、19歳の少年が生活苦のために、腎臓を1つ売った話がありました。
ネパールの田舎町で育った少年は、闇臓器売買組織に「インドでお金になる仕事がある」と騙されてインドまで連れて行かれ、腎臓を1つ取り除き、現金$4,500ドル(約68万円)とわずかな薬を渡されて、ネパールまで帰らされたそうです。
少年は腎臓を1つ除去した今では歩くこともままならず、重い物を持ち上げることも出来なくなり、すぐに気を失ったりするようになり、「こんなことになるなんて知らなかった」と話しておりました。
教育って大事ですよね、そういう意味では。
貧しくて十分な教育が受けられないことによる弊害と言うのは、こういうところにも表れてしまうんですね。
しかも腎臓1つ売っても68万円にしかならないなんて…(涙)
さらにひどいのは、こうして安価で買われた臓器は、世界の裕福層に高額で売りつけられるわけで、儲かるのは違法臓器ブローカーたちだけ、という。
もちろん病気などで臓器を待っていらっしゃる方達もたくさんいるわけで、難しいですな。
「闇ブローカーから臓器なんて買っちゃダメですよ」と言うのは簡単ですが、実際自分の大切な家族などが病気で、臓器移植なしでは長く生きられない、でも正規の臓器を待っている時間がない、なんて立場になったら、違法臓器でも良いから欲しい!と思ってしまう人の気持ちも分からなくはないですな。
(個人的には何があっても違法臓器売買の道は選びませんが、選んだ人を簡単に責めることもできないなぁと)
健康体でいられること、臓器売買などをしなくても生活できること、といった当たり前のことに感謝せねば…
あざーっす(←感謝の気持ちが軽いわ)
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