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産後うつの女医母、娘3人殺害で懲役18年。17回の体外受精の失敗の末に授かった我が子

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産後うつの母親が、夫が留守の間に6歳の娘と2歳の双子の娘、計3人の子供を殺害し、懲役18年の判決が下ったニュージーランドのニュース。

やるせない話・切ない話シリーズ。

「今日はなんだか気分がどんよりしたいわ」と言う日にお読みください。

(どんな日よ?)

事件そのものが起きたのは2021年で、去年有罪判決が下ったものの、刑期の判決が今年2024年の6月で再びニュースになっていたのでご紹介です。

まず事件の概要を簡潔に説明します。

2021年、ニュージーランドのティマルにある自宅で、当時6歳だった長女のリーアンちゃんと、その妹で2歳だった双子のマヤちゃんとカーラちゃんを殺めてしまった、母親のローレン・ジャカソン(41)。

母親ローレンは娘たちにをベッドルームに集め、「ネックレスを作ろう」と提案し、娘たちに首に拘束バンドを巻くように誘導。

そして娘たちに、

「ママは悪い病気で死んじゃうの。ママが死んだら、誰がみんなの面倒を見てくれるのか分からないから、みんなをおいていくことができない」

と伝え、拘束バンドを使ってカーラちゃん(2)、リーアンちゃん(6)、マヤちゃん(2)の順で3人の娘たちの首を絞めて殺害しようとします。

母ローレンは警察に、

「長女のリーアンは『どうしてこんなことをするのか、ママは世界で1番ステキなママだし、ママのことが大好きなのに!』と、とても怒っていた」

と供述しているんですね(涙)

2歳の双子ちゃんたちは状況が分からなかったかも知れませんが、目の前で妹の首を絞める母親、そしてその母親から首を絞められて、6歳のリーアンちゃんには恐怖と絶望しかなかったですよね、きっと(号泣)

そして拘束バンドで首を絞めてもまだ息をしていた娘たちを、タオルと毛布で窒息死させた母ローレン。

その後はナイフと飲み薬(なんの薬か不明)で自殺を図ります。

そして幼い娘たち3人と母親ローレンは、同僚たちとの集まりから帰ってきた夫グラハム・ジャカソンさんに発見された、と言うのが殺害当時の状況です。

お子たち3人はもちろん亡くなり、母親ローレンが助かったと言う、無理心中あるある(←不謹慎な言い方)です、残念ながら。

母親のローレンは、娘たちの命を奪ってしまったことは認めたものの、産後うつを理由に、故意の殺人ではなかったと主張。

去年に有罪判決が下り、今年6月に懲役18年の判決が言い渡されました。

懲役18年と言うのは、今回の事件では子供1人の命を6年とし、6年x3人分と言う計算なんだそうです。

短すぎる気もしますが、背景には産後うつがあるので、一概には何とも言えませんな…。

18年間と言う懲役刑も、まずは精神科への期間を限定しない強制入院から始まり、容態が安定したところで、刑務所へ移送になるそうです。

(産後うつを信じることが出来ない人もいるかも知れませんが、ホルモンが関係しているので、自分の意思ではどうすることもできないうつ状態に陥ります。

PMSがひどい女性なら、産後うつも「ヤバイやつや…」と想像がつくかと思います)

普通の精神状態であれば、「自分がいなくても(特に配偶者がいる場合は)子供たちはなんとか育っていける」と思い、自分だけが命を絶ちそうなものですが、うつ状態にあると、「私が死んだらこの子たちは生きていけない」と本気で思ってしまう場合があるんでしょうな。

(品川区の一家4人殺害事件のように、利己的・自分勝手な思いで、子供の命を奪うケースも多いですが)

ちなみに事件が起きる以前、元々南アフリカ出身の母ローレンは、10代の頃からうつ病を患っていたものの、大学では医学を学び、医師をしながら南アで暮らしておりました。

整形外科医のグラハムさんと2006年に結婚。

しかし夫婦は不妊に苦しみます。

夫婦共々医師と言うこともあり経済力があるためか、受けたIVF(体外受精)の数は17回。

残念ながらどれも失敗に終わり、最後は卵子提供を受け、2013年に第一子サラちゃんを妊娠。

しかし残念ながら、サラちゃんは生まれてすぐに亡くなってしまいます(流産だったとか死産だったと言う報道もあるので、確かなことは不明です)。

そしてその後、産後うつの診断を受けたと言われております。

そもそも1回の失敗でもIVFは精神的にも応えますよね。

IVFの期待の分、失敗に終わった時にはズトーンと落ち込みます。

それを17回繰り返した時点で、元々うつ病じゃない人でも精神を病むと思います。

そして卵子提供を受け、やっと授かったとおもったら、その子が亡くなってしまうなんて、地の果てまで精神状態が落ちますよね…(涙)

サラちゃんを失ったあと、ローレンは医師に戻ることはなく、夫グラハムさんの手術助手として仕事復帰します。

そして2014年に長女リーアンちゃんが生まれますが、ローレンは2015年にMDD(大うつ病障害)と診断されます。

これは2013年に生まれてすぐのサラちゃんを失ったことや、産後うつが関係しているMDDと言う診断でした。

2018年には双子ちゃんが生まれたわけですが、2019年に精神科医を訪れ、「子供たちを殺したくなってしまうことがある」と相談していました。

かなり深刻なSOSを発信していたわけです。

実は夫妻はベビーシッターを雇っていたのですが、ローレンもべビシも双子のお子たちには、かなり手を焼いていたそうなんですね。

特にカーラちゃんの方は寝つきが悪く、キレやすく、ぶったり噛んだりするような、俗に言う「育てにくい子」だったそうです。

そして2019年に、生まれ育ち住み慣れた南アを離れ、ニュージーランドへ移住した一家。

この件については、世間からかなり叩かれてしまっているんですよね。

母親のローレンが産後うつやうつ病で苦しみ、子育てに悩んでいる中、なぜ家族や友人が大勢いる住み慣れた南アを離れ、誰も頼る人がいないニュージーランドに移住したのかと。

また精神科を受診したり、抗うつ剤を服用したりと自分なりにできることはし、助けを求めていたローレンに対し、夫は仕事に忙しく、3人の子供たちの世話も、母親のローレンに頼り切りだったのではないかという、世間からの非難もありました。

夫婦や家庭内のことは当事者にしか分かりませんし、うつ病はそもそも脳の神経伝達物質の問題なので、たとえ周りの家族がどんなに支えていても、うつになったり、鬱が悪化することはあるので、誰が悪いとかでもないんですよね。

ただただやるせなくて切ない事件です…。

3人のお子さんたちのご冥福をお祈りします。


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