日本でも毎日のように報道されている児童虐待のニュース。
虐待した親もまた虐待されて育った負の連鎖の被害者であったり、精神疾患や知的障害などがあり責任能力が乏しかったりで、なかなか極刑に処されることが少ない印象です。
今回はアリゾナで起きた児童虐待ニュースで、極刑が下された事件・やるせない話をご紹介。
2020年、当時6才だった息子デショーンくんを餓死させた、第一級殺人罪で起訴されていた母親のエリザベス・アーチベック被告(29)。
先週の木曜日に刑期が決定し、終身刑が言い渡されました。
エリザベス被告の弁護側は、35年の実刑の後、仮釈放の申請ができるよう求めていたのですが、裁判にて仮釈放なしの判決が下されたわけです。
つまりエリザベスは死ぬまで刑務所の中ということです。
極刑に処されたエリザベス、どんな罪を犯したのかと言うと…
息子デショーンくんとその兄をわずか53㎝x63㎝のクローゼットに日常的に、1日16時間も閉じ込めていたんですな。
デショーンくんとお兄ちゃんはそのクローゼットの中で監禁され、食事もろくに与えられず、クローゼットからは尿が漏れていたそうな。
デショーンくんが意識不明になったため、祖母のアン・マルティネスが救急隊に連絡。
デショーンくんは亡くなり、お兄ちゃんはなんとか助かりました。
発見時、文字通り骨と皮のみだった(by 捜査員)というデショーンくん、検死の結果、6才にも関わらず体重が8キロしかなく(標準体重の約3分の1)死因は餓死。
よって母親のエリザベス・アーチベック、デショーンくんの父親であるアンソニー・マルティネス、そして祖母のアン・マルティネスが、殺人罪及び児童虐待の罪で起訴されたわけです。
父親と祖母は無罪を主張、裁判は別々に行われるため判決はまだ下っておりません。
母親エリザベスと父親アンソニーは当初、デショーンくんが病気のせい、またはダイエットピルのせいで栄養失調であると主張していたようですが、警察の調べに対し、両親が寝ている間に食べ物を盗む兄弟を罰するために、1日16時間に渡り狭いクローゼットの中に閉じ込めていたと供述。
家の食べ物を両親が寝ている間に盗むって、そりゃお腹が空いていたからだろうよ!って話ですよね。
普段(監禁される前)から、まともに食事を与えられていなかったのではないでしょうか。
ちなみにデショーンくんとお兄ちゃんには、4才と2才になる妹たちもいるそうですが、この女の子2人にはきちんと食事が与えられ、健康的に育てられていたんですと。
母親エリザベス、父親アンソニー、そして祖母のアン、みんなグルになって幼い兄弟を虐待していたのかと思うと、やるせないですな。
そしてなぜか幼い姉妹だけは可愛がって、きちんと育てていたという…。
神戸での6歳児(修くん)の虐待死(祖母が監禁されていて逃げ出して事件が発覚した件)の加害者4人も、虐待を受けて育ったものの、確か双子の姉妹だけは母親(修くんの祖母)から可愛がられて育ったとありましたよね。
裁判では弁護側が、母親エリザベスの不遇な生い立ちについても触れておりました。
エリザベスは生まれながらにメタンフェタミン依存症を患い(エリザベスを妊娠していた母親が、妊娠中もメタンフェタミン(覚せい剤)を使用していたため、子宮内で薬物曝露に遭ったエリザベス)、詳細は不明ですが虐待を受けて育ち、精神疾患も患っていると言います。
さらに夫アンソニーとアンソニーの母のアンから日常的に、暴力や暴言を受けていたと言います。
面会した弁護士に、「夫といる時よりも刑務所の方が自由がある」と語ったエリザベス。
裁判では反省の言葉や、幼い我が子デショーンくんを失った悲しみなどを語っておりました。
虐待の背景に不遇な生い立ちや、夫や義母からのDVがあったエリザベスですが、それでも仮釈放なしの終身刑なんですね…。
もちろん餓死したデショーンくんや、一緒に虐待されていたお兄ちゃんが1番の被害者ですが、いろいろな意味で切ない事件ですな。
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