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アメリカ銃社会の悲劇。誘拐犠牲者の少女15歳、助けを求めた警察に射殺される

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母親を殺して逃亡する父親に誘拐された15歳の少女が、警察側に向かって逃げてくる際に、警察官によって狙撃されて亡くなった、痛ましい悲劇のニュース。

やるせない話』シリーズより、アメリカ銃社会の悲劇再び、な話題。

事件そのものは、2022年の9月にアメリカのカリフォルニア州で起きたものです。

ジャーナリストの訴えにより、当時の証拠ビデオ映像が先週の月曜日に報道され、ニュースになっていたのでご紹介。

2022年9月26日に、別居中の妻トレイシーさんを殺害したアンソニー(45)。

アンソニーは娘のサヴァンナちゃん(15)を連れて、逃亡を図ります。

つまり娘であるサヴァンナちゃんを誘拐です。

そして警察による追跡の結果、27日に一度警察がアンソニーの運転する車を止めようと試みるも、アンソニーが半自動式拳銃で攻撃してきたため、さらに110キロ以上の警察による追跡劇に。

その追跡の間もアンソニーは銃による攻撃を続け、警察の追跡を逃れようとし、娘のサヴァンナちゃんも車の中から、警察を銃で攻撃している可能性がある、と言う警察側の主張だったんですね、当初は。

結局、何台ものパトカー・警察車両、ヘリコプターなどに囲まれ、アンソニーの逃亡する車がフリーウェイで止まり、サヴァンナちゃんが車から降りました。

警察の無線では、「少女が車から降りた。未成年の少女だ。助手席側から降りた」と他の警察官たちに伝えているのが聞き取れます。

1人の警察官が「助手席の者、車から降りろ。こっちへ来るんだ、こっちだ!はい、進んで進んで進んで!」とサヴァンナちゃんに向かって、繰り返し叫んでいる声も聞き取れます。

そして最初は中腰でソロソロと進んでいたサヴァンナちゃんですが、背後から銃で撃ってくるかも知れない父親から逃げる一心で、突然警察に向かって走りだしたわけです。

よって警察に向かって走ってくる少女を見た警官たちが、サヴァンナちゃんに向かって銃を発射してしまったんです。

サヴァンナちゃんに「早くこっちへ来い」と指示を出していた警官の、

「Oh No!No!少女を打つな!犯人は車の中だ!狙撃をやめろ!少女は大丈夫だ!犯人は車の中だ!やめろー!」

と言う悲痛な叫びが耳から離れませんわ(涙)

こうして母を殺され、誘拐の被害者であるサヴァンナちゃんは、警察による射殺されてしまったのであります。

当初警察側は、サヴァンナちゃんは戦術装備を身に着けていて、警察に向かって銃で反撃していた、と言う発表だったわけですが、映像を見てもそんな事実は全くありません。

警察の指示に従い、四つん這いになるサバンナちゃんの姿も映像で確認できるので、サヴァンナちゃんは恐怖と混乱の中、ちゃんと警察の指示に従っていたのが分かります。

これらの矛盾や、警察による隠ぺい疑惑の追及のために、カリフォルニア公記録法に基づき、先週の月曜日に、この事件の映像が公開されたと言うわけであります。

しかし悲しいかな、一概に警察を責めることもできないんですよね(今回のことはさすがに警察の対応に疑問が残りますが)。

アメリカは銃社会なので、未成年だろうがなんだろうが、誰が銃を持っているのか分からない国。

警察に向かって突進してきた人物が、万が一武器を持っていたり、爆薬・爆弾などを体に巻き付けていた場合、警察官たちの命が危険にさらされる可能性もあります。

サヴァンナちゃんが生き返ることはありませんが、15歳の少女の死を無駄にしないためにも、この事件の教訓を、警察官の今後の教育やトレーニングに活かして欲しいですな。


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