スポンサーリンク

スレンダーマン刺傷事件の犯人モーガンの今。精神科病院からの釈放は「危険」と裁判所が却下

News

都市伝説を信じた12歳の少女2人が、森へ友人を誘き出し19回も滅多刺しにした事件から約10年。精神科病院に収容されている主犯格のモーガン・ガイザーの釈放を、裁判所が拒否したというニュース。

約10年前にアメリカで起きた事件ですが、加害者の少女たちの12歳という年齢と残虐さ、さらに「スレンダーマン」という都市伝説を信じた加害者の精神状態が話題となり、世界を震撼させた『スレンダーマン刺傷事件』。

映画や海外ドラマ(「クリミナル・マインド」や「ロー・アンド・オーダー」など)のエピソードの題材になったこともありますな。

4月の中旬に、主犯格のモーガン・ガイザー(当時12歳、現在21歳)の、収容先の精神科病院から条件付きでの釈放を求める裁判があり、再びニュースになっていたのでご紹介です。

事件は有名かと思うので、ごく簡単におさらいをすると…

2014年5月31日のウィスコンシン州。

小学校6年生のクラスメイトのペイトン・ライトナーちゃん(当時12歳)を近所の森へ誘い出した、同じく12歳のモーガン・ガイザーとアニッサ・ワイヤー。

モーガンとアニッサはペイトンちゃんの腕、脚、胸、腹部などを19回も、刃渡り13センチの包丁で滅多刺しにし、「助けを呼んでくる」とその場を立ち去ります(結局は逃げただけ)。

血だらけのペイトンちゃんは自力で森から道路まで這って行き、通行人によって発見され、病院へ搬送・緊急手術によって、なんとか命は助かったという事件。

ちなみに19ヶ所の刺傷傷のうち1つは横隔膜を突き破り、胃と肝臓も損傷。

もう1つは心臓スレスレで、あと1ミリ横にずれていたら、大動脈を切っていただろうと言うほどの大怪我だったわけです。

加害者の12歳の少女たち、殺す気満々だったわけですよ、ペイトンちゃんのことを。

そんな大怪我を負ったペイトンちゃんの17歳の時のインタビューを見たことがあるのですが、術後もリハビリなどで傷の完治まで、5年もかかったと語っていました。

心の傷は一生もので、トラウマだと思いますが(涙)

ちなみにペイトンちゃんと主犯のモーガンは、元々仲が良く親友同士。

6年生の頃にアニッサが友達の輪に加わり、そこから奇妙な三角関係の友情が始まり、時期を同じくしてモーガンが「スレンダーマン」に執着しだします。

スレンダーマンと言うのはインターネット上のオカルト・コミュニティーで広まった架空のキャラクターで、黒またはグレーのスーツに黒いネクタイ、顔は真っ白(目や鼻や口がない)で、背中から触手を生やした、背の高い不気味なキャラクター。

まんま細身なことからスレンダーマンと言われている訳ですが、まあ痩せたカオナシ(by 千と千尋の神隠し)みたいな感じですかね。

(全然違うわ。どっちも服が黒いし顔が白いけれども)

スレンダーマンは人の心を操ることができ、森に潜み、子供たちを追いまわしたりする、というキャラ設定です。

話を事件に戻し…

第一級殺人未遂容疑で逮捕され裁判にかけられたモーガンとアニッサ。

2人は犯行動機について、スレンダーマンが本当に実在すると信じ、スレンダーマンへの忠誠心を示すため、スレンダーマンの使者となるためにペイトンちゃんを襲ったと供述。

また、ペイトンちゃんを殺さなければ、自分たちの家族がスレンダーマンに殺されると信じていたと言い、ペイトンちゃんに対する殺人未遂容疑も認めました。

裁判前の精神科医との面談では、モーガンは事件のずっと前から幻聴や幻覚などがあったと告白。

裁判の精神鑑定でも、2014年の10月に統合失調症と診断され、2017年の判決では精神科病院への最短40年間の強制入院が下されました。

アニッサの方は、精神科病院への25年間の強制入院、と言う判決でした。

アニッサはその後2021年、19歳の時に「社会に害や危険がない」と判断され、精神科病院から釈放されております。

で、ここからがやっとこさ本日の本題。

(「事件を簡単におさらい」と言いながら、長文で説明した結果…)

ウィスコンシン州のウィネベーゴ精神科病院に強制収容されているモーガン。

「幻覚や幻聴があると訴えた精神病症状はウソで、自分は社会にとって危険な存在ではありません」と主張し、条件付きでの釈放を求めているんですな。

2人の精神科医がこのモーガンの主張を支持したものの、裁判官は「モーガンは社会にとって未だ危険な存在だと言う、明確で確実な証拠がある」とし、モーガンの釈放を却下。

つまりモーガンを精神科病棟の外へは釈放することができない、と言う決断を下したわけです。

アメリカ司法制度の(と言っても州によりけりですが)こういう厳しいところ、日本も見習うべきですよね。

ところで個人的には、「スレンダーマン刺傷事件」のこととなると、なぜか「佐世保高1女子同級生殺害事件」を思い出してしまうんです。

「佐世保小6女児同級生殺害事件」の方ではなく、進学校に通う高1の女子生徒が同級生を殺害し、バラバラにした「佐世保女子高生殺害事件」の方です。

お母さんを病気でなくし、お父さんが再婚し、家庭環境がやや複雑で、事件後にはお父さんも自殺されて亡くなったと言う、すべてが悲し過ぎる事件ですが、こちらの犯人の女子高生の場合は「人を殺してみたかった」という動機でした。

ただ事件当時未成年だったこともあり、26歳になる今年2024年までの収容延長は、裁判により決まっていますが、その後はどうなるんだって話ですよね。

「人を殺してみたい」と言う衝動や気持ち、数年間の医療少年院生活や精神科病院やリハビリやらカウンセリングやらで消えるもんなんすか?と疑問&不安。

ちなみにスレンダーマンの方のモーガンも、半年後にまた「精神科病院から釈放しても安全かどうか」を争う裁判があるそうです。

アメリカ国民の多くからは、

「最低でも40年の強制入院が必要という判決が出たのだから、40年間収容しておくべきだ」

「今回「社会への危険がある」と見なされて釈放が却下されたのに、なぜ半年後にまた裁判をして、国民の税金を無駄遣いするんだ?」

「半年後に「社会への危険はありません」となるわけがない。凶悪な事件を起こした犯人が、半年そこらで変わるわけがないだろ」

と批判殺到でございました。


あわせて読みたい↓

コメント