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性同一性障害に悩む14才少年が自殺。性別適合治療を断られ苦悩

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切ない話やるせない話シリーズ。

読んだ後、気分がどんよりしてしまうかも知れませんので、「今日はとことん落ちたい」という気分の日にお読みください。

(どんな日よ?)

本題の前に、先日タレントのryuchellさんがお亡くなりになりました。

自死に至った原因などを周りが憶測で色々言うのも失礼に当たりますし、ryuchellさんはトランスジェンダーと公言はしていなかったそうですが、本日ご紹介する記事がちょっぴりタイムリーであります。

さて今年1月に、オーストラリアで命を絶った14才のトランスジェンダーの少年、ノアくん。

ノア君のお母さんがインタビューに答えていたので、再び先週にニュースになっていたので、ちょうどryuchellさんのこともあったばかりなので、ご紹介しようかと。

この世に女の子として生を受け、リリーちゃんと言う女の子のお名前で育ったノアくん。

亡くなる6ヵ月前に、ご両親宛てに書いた手紙の中で、自分は男の子であると心中を告白。

(おそらくその頃からリリーちゃんという女子名から、ノアくんという男子名を名乗るようになったのかな、と憶測ですが…)

当初ご両親は「きっと友達やネットに影響されて、そんなことを言い出したんだろう」くらいに思っていたそうですが、次第にノアくんの心が本当に男の子であることを実感していったと言います。

しかし身体は女の子のノアくん、成長期・思春期を遅らすために、食事を制限するようになります。

西シドニーにあるこども病院に入院するも、性同一障害の治療やサポートをするように勧められ、1日で退院させらたノアくん。

ノアくんのお母さんはかかりつけの診療所に相談したり、各方面へ相談するも、予約待ちだったり解決となるようなサポートを受けられずに途方に暮れているうちに、どんどん進むノアくんの思春期…。

再び、西シドニーのこども病院に拒食症の治療で入院したノアくん。

そこでソーシャルワーカーさんに性同一障害の治療が必要、とアドバイスを受けます。

しかし性同一性障害の治療を行うクリニックのベテランスタッフが「まずは摂食障害(拒食症)の治療に専念すべきだ」と発言したことで、再び性同一障害の治療を受けることができなかった、と悔やむノアくんのお母さん。

ちなみにノアくんが命を絶った1月は、オーストラリアでは約2ヶ月に及ぶ学校の夏休み。

子供たちの多くは1月下旬ないしは2月の上旬から新学期が始まります。

ノアくんは新しい性(ノアくんの場合は男性)として新学期に学校へ行くことに、極度の不安と緊張を覚え、結果自ら命を絶つという選択をしてしまったと、ノアくんのお母さんは語っておりました。

14才と言う若さで、自分の身体の成長を止めるために食事を制限せざるを得なかったノアくんの心情よ…(涙)

思春期の頃なんて、みんな食べたいものドカ食いして、食っても食っても腹が減っている!みたいな状態じゃなかったですか?

そんな中、胸が大きくならないように、生理が始まらないように、などと食べることを拒否なんて可哀相すぎる(涙)

そして自ら命を絶つしかない…と追い詰められてしまった精神状態、そして怖かっただろうに自殺を決行したノアくんの気持ちと行動を考えると、切なすぎてやり切れませんな(涙)

ついでに言うと、病院側を過剰に擁護するつもりはサラサラありませんが、摂食障害の患者さんのケアは本当に難しくて、私も医療従事者として関わる機会がたくさんありますが、どっちの言い分も分からないでもないです。

場合によっては命に危険が及ぶくらいの摂食障害の患者さんもいますし、その場合はもちろん摂食障害の治療が優先となりますが、患者さんやご家族などにしてみれば、根本というか摂食障害の原因になっている事柄を解決しないと、摂食障害は改善されません。

ノアくんの場合は、どんどん女性っぽくなっていく自分の身体の成長を阻止するため、そして心と一致しない体の成長を受け入れることができないために拒食症になってしまったので、理想は性同一障害の治療を即座に開始して、摂食障害の治療と並行できれば良かったのですが、実際の入院病棟だとそうもいきません。

ほんと難しい問題ですよね。

一昔前に比べれば、同性愛やトランスジェンダーをはじめとするLGBTIQA+における多様化が広まりつつある現代ですが、それでも自己のありかたに悩んだり、周りからの心無い中傷や差別で心を痛め、死を選んでしまう人が後を絶ちませんね。

心と体の性別が一致した状態で生まれて、のほほんと生きてこれたことは当たり前のことではなく、とてもありがたいことなんだと今一度、感謝したいと思います。

ノアくんのご冥福をお祈りします。


どんよりした後はほっこりしよう↓

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